2009年04月18日

愛人41

クレア

 翌日。

店の扉が開き、「いらっしゃいまーせー」という不ぞろいな合唱が聞こえてきました。

彼は少し緊張しなが中に入り、居並ぶ女の子たちを見渡すと、Kちゃんも少し緊張した様子でわずかにうつむいています。

 席につくと、Kちゃんが近づいてきて、彼の隣に恥ずかしそうに座りました。

2人の間にぎごちない空気が流れます。

Kちゃんは思い切ったように口を開きました。

「この間はごめんなさい。でも、あの人はただのお客さんです」。

訴えかけるような表情で彼の顔をのぞきこみます。

その真剣な表情を見ていると、彼は、つまらないことで腹を立てた自分がばかばかしく思えてきました。

「わかった。君のことを信じる」と言ってKちゃんを抱き寄せ、「愛してるよ」を耳元にささやきました。

Kちゃんはかすかに身を震わせながら、彼にしがみついてきました。

彼は、これまでに感じたことがないほど、Kちゃんとの心の距離が縮まるのをはっきりと意識しました。

青春時代以来、○○年ぶりに味わう胸のときめきです。

 といっても、衆人環視の中でいつまでの抱き合っているわけにもいきません。

彼はKちゃんの体をやさしく起こし、尋ねました。

「この間の話だけど。答えはどうかなあ」。

Kちゃんはうっとりした瞳を彼に向けました。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人
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