2009年04月30日

愛人45


クレア

Kちゃんは思い切ったように言いました。

「ええ、いいわ」。

彼は予想外にあっさり返ってきた返事に「本当にいいの」と念を押します。

Kちゃんは「うん」とうなずきました。

そのかれんな姿を目にした彼は、これまで○年生きてきて本当に良かったなあ、という思いをしみじみとかみしめました。

タクシーに乗り込むと、2人の間にはいつになく緊張した空気が流れます。

彼はKちゃんの手を握ろうかとも思いましたが、緊張のせいで腕が思い通りに動きません。

まるで青春時代に戻ったような心持ちです。

やがてタクシーは彼が住むコンドミに到着しました。

受付にいる馴染みのボーイは、彼の隣にかわいい娘がいることに気づきましたが、何事もないかのようにいつもと変わらぬ笑顔で迎えてくれました。

エレベーターで○階に上がります。

いつもより速度が遅いように感じましたが、間もなく彼が住む部屋の階に到着しました。

彼は部屋のドアを空け、Kちゃんに「どうぞ、中へ」と言いました。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人

2009年04月27日

愛人44

クレア

約束通り、Kちゃんは店をやめ、彼の援助に頼る生活に入りました。

彼の「愛人計画」もようやく軌道に乗ろうとしているようです。

友人からは「ええなあ、援助交際か」と冷やかされますが、「へんな表現をしないでくれ。いわば奨学金だよ」と弁明します。

Kちゃんとは週に2回ほど会い、一緒に食事をしたり、カラオケボックスへ行ったりしました。

私服姿で化粧もしていないKちゃんは、夜の仕事をしていたとは想像できないような新鮮さです。

ある土曜日の夜、カラオケボックスで盛り上がり、彼は従来から胸に抱いていた計画を実行することにしました。

「たくさん歌ったし、そろそろ行こうか」とKちゃんに話しかけます。

Kちゃんは「とっても楽しかった。ありがとう」と上機嫌です。

彼は、ここが勝負所とばかり、Kちゃんに言いました。

「明日は休みだし、今日はうちに来て一緒に泊まらないか?」

Kちゃんはびっくりしたような表情で彼を見つめます。


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posted by ナヒヒヤ at 12:56 | 愛人

2009年04月24日

愛人43

クレア

 ソファに戻り、再び2人は熱い視線を絡ませます。

「今日はこれからどうしようか」と彼は話しかけました。

「もう、仕事はやめるんだから、一緒に店を出てもいいいだろう」。

頭の中を妄想が駆けめぐります。

「そろそろチェックして、カラオケボックスかどこかに行こうか」。

もうほとんど愛人気分です。

「どこか」というのは彼の頭の中ではある場面が思い描かれています。

 Kちゃんは困ったように「でも、今日までは仕事をするといったから」と答えます。

彼は、まあ今日は仕方ないかと思い直しました。

 「ところで」と彼は再び話しかけました。

「店をやめるんだから、週に2、3回は会えるね」。

すると、Kちゃんは少し申し訳なさそうに言いました。

「私、昼は学校で夜は仕事っていう生活が続いたでしょう。だから少し疲れた。試験も近いし、しばらく勉強だけに集中したい。いいですか?」

 期待はずれの言葉ではありましたが、「それはいけません」とは言えません。

とっさに「ああ、いいよ。君の都合にいい時に会えればいいから」と返答しました。

そう言いながらも、思い描いた筋書きとの微妙なずれを感じざるを得ません。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人

2009年04月21日

愛人42

クレア

「私、あなたのことを信じる。あなたも私を助けてね」とKちゃんは言い、彼のほほに優しく口づけしました。

 ここで振り返っておいた方がいいかも知れません。

彼はKちゃんに対して、大学卒業まで月々○万○千ペソを出してあげるから、もう夜の仕事をやめるようにと提案していたのでした。

 彼は舞い上がりました。「ああ、それはぼくもうれしい」と言い、Kちゃんのおでこに優しく口づけしました。

「じゃあ、もうこの仕事はやめるんだね」「ええ、もうお店には、今日でやめますと言ってあるわ」。

そう言うKちゃんを励ますように、彼はKちゃんの手を握りしめました。

 2人、熱い目で見つめ合います。

Kちゃんの純真な視線を受け止めていると、彼は得意の1曲をKちゃんに捧げたくなりました。

 ♪♪ほーら、足元を見てごらん これが、あなたの歩むみーち♪♪

 寄り添うKちゃんの胸の膨らみを背中に感じます。

至福の時です。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人

2009年04月18日

愛人41

クレア

 翌日。

店の扉が開き、「いらっしゃいまーせー」という不ぞろいな合唱が聞こえてきました。

彼は少し緊張しなが中に入り、居並ぶ女の子たちを見渡すと、Kちゃんも少し緊張した様子でわずかにうつむいています。

 席につくと、Kちゃんが近づいてきて、彼の隣に恥ずかしそうに座りました。

2人の間にぎごちない空気が流れます。

Kちゃんは思い切ったように口を開きました。

「この間はごめんなさい。でも、あの人はただのお客さんです」。

訴えかけるような表情で彼の顔をのぞきこみます。

その真剣な表情を見ていると、彼は、つまらないことで腹を立てた自分がばかばかしく思えてきました。

「わかった。君のことを信じる」と言ってKちゃんを抱き寄せ、「愛してるよ」を耳元にささやきました。

Kちゃんはかすかに身を震わせながら、彼にしがみついてきました。

彼は、これまでに感じたことがないほど、Kちゃんとの心の距離が縮まるのをはっきりと意識しました。

青春時代以来、○○年ぶりに味わう胸のときめきです。

 といっても、衆人環視の中でいつまでの抱き合っているわけにもいきません。

彼はKちゃんの体をやさしく起こし、尋ねました。

「この間の話だけど。答えはどうかなあ」。

Kちゃんはうっとりした瞳を彼に向けました。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人

2009年04月15日

愛人40

クレア

 その後しばらく彼はKちゃんの店に行くのを中断しました。

本当はKちゃんの顔が見たくて仕方なかったのですが、彼女の同伴出勤の光景を思い出すと、胸がむかついて店に足を運ぶ気になりません。

おれもこんなことで怒るなんて情けない男やなあという気持ちはありましたが、その一方で、今の状況で店に顔を出すのは男の沽券にかかわるという意思にも支配されます。

 Kちゃんからは連日のように携帯のメッセージが入りました。

「ごめんなさい。あなたは私を誤解している」

「あなたに会いたい」

「お店に来てください」という類のものです。

でも、彼はどうしてよいのかわかりません。

 そんな時、彼は親しい友人にこの状況について相談しました。

この友人は長くマニラに滞在していて、カラオケ遊びもプロ級です。

 友人は彼の話を聞いて即座に言いました。

「あんた、そんなことで悩んでんのかいな。悩む必要なんてありません。その娘に会いたかったら、会いにいったげたらええだけの話や」。

ばりばりの大阪弁でそう断じるられると、彼もそれまでの悩みがばかばかしく思え、気持ちが吹っ切れました。


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posted by ナヒヒヤ at 12:29 | 愛人

2009年04月09日

愛人39

クレア

彼は仕方なくKちゃんの友人を指名して時を過ごしましたが、Kちゃんのことが気になって落ち着きません。

今日は彼女が来ないのだったらもう帰ろうかと思い始めていたところ、入り口のドアが開いて「いらっっしゃいまーせ」という気怠いコーラスが聞こえてきました。

彼がふとその方向に目をやると、何とKちゃんと別の娘が男2人と一緒に店に入ってくるではありませんか。

彼は胸を締め付けられる思いがしました。Kちゃんは彼に気づき、気まずそうな表情を浮かべました。

 不愉快になった彼はチェックを頼み、店を出ました。

なま暖かい夜風に吹かれていると、胸が苦しくなって目に涙がにじんできます。

おれは彼女のことを真剣に考えていたのに……。

彼女は同伴するような親しい男がいたのか。

Kちゃんのことを考えれば考えるほど、いらだちと切なさが胸の中にこみ上げてきます。

 その時、彼の携帯電話が鳴りました。ディスプレーを見るとKちゃんではありませんか。

彼は電話に出ようと思いましたが、指が動きません。

着信音が鳴るままにまかせ、彼は携帯電話をポケットにつっこみました。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人

2009年04月06日

愛人38

クレア

車に乗り込んだ彼は、外の景色を見ながらぼんやりとその日の出来事を振り返りました。

そう言えば帰り際にKちゃんが何かを言おうとしていたけど、こちらがちゃんと聞かないと急に不機嫌になって……。

ああそうか、と彼は気づきました。Kちゃんはあの話をしようとしていたのか。

 あわてて彼は携帯電話を取り出し、Kちゃんの番号を押します。

でも、聞こえてくるのは「あなたのおかけになった番号は……」という録音テープの音だけです。

店に戻ろうかとも思いましたが、さすがに明日の仕事のことを考えると、そこまではできません。

 翌日、仕事を終えた彼は、食事も適当に済ませ、いそいそとKちゃんの店へ出かけました。

「いらっしゃいまーせ」。いつものように気怠い響きの合唱が響いてきます。

女の子たちを見渡すとKちゃんの姿が見えません。

 落ち着かない気持ちで席についた彼にチーママが申し訳なさそうな様子で近づいてきました。

彼の隣に座ると「Kちゃんは今日はまだ来てません」と言いました。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人

2009年04月03日

愛人37

クレア

彼の屈託のなさそうな寝顔を見ながらKちゃんは考えました。

いろいろあったけど、この人は根はいい人だし、信用してみようかしら。

夜の仕事をしなくてもいいのなら、もっと勉強に時間を取ることができるし、成績も上がるだろうし……。

Kちゃんは決心しました。

 するとその時、彼がむくっと起きあがりました。

「あれえ、今何時?」と寝ぼけ眼でKちゃんに尋ねます。

「1時前だけど」。

彼はあわてたように「明日は大事な仕事があって朝が早いんだ。大変、大変」と言いながらチェックを頼みます。

 Kちゃんはさっきの自分の決心を伝えようと、「ねえ、あなたが言ってた話だけど」と切り出しました。

でも彼は「大変、大変」と言いながらKちゃんの声が聞こえない様子です。

Kちゃんは、何この人は、とだんだん腹立たしくなってきて、途端に冷たい口調になり、「あなたは仕事が一番大事なのね。じゃあ、もう来なくていい。お休みなさい」と不機嫌に彼を送り出しました。

彼はどうしてKちゃんが怒っているのよく分かりません。


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posted by ナヒヒヤ at 07:00 | 愛人
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